猫の心疾患

猫の心筋症の診断について

猫では心臓超音波検査の所見をもとに診断を行います。

心筋症の分類

猫の心筋症は心室の形態による評価や病理組織学的に以下のように分類されます。

  • 肥大型心筋症(非閉塞性・閉塞性)
  • 拘束型心筋症(心内膜心筋型・心筋型)
  • 拡張型心筋症
  • 不整脈源性右室心筋症
  • 非特異型心筋症
  • 猫では心筋の病理組織学的検査を生前に行うことは困難なため、心臓超音波検査の所見を基に各心筋症に分類・診断します。

    病理組織学的な確定診断が困難なことや、高血圧、甲状腺機能亢進症、心臓リンパ腫、タウリン欠乏症、頻脈誘発性心筋症など様々な二次性心筋症も含めて診断することから、しばしば「~心筋症表現型」という診断名が用いられます。

    猫の心筋症のガイドラインより(2020)




    心筋症の分類




    猫の心筋症における心筋に生じる変化の例





    心筋症のステージ
    猫の心筋症は病態の進行具合によって次のようにステージ分類されます。

    一般的に Stage B2 から治療開始とされますが、B1でも治療が推奨される場合があります。Stage C からは心不全や血栓症の症状が現れ、Stage D は難治性となります。

    猫の心筋症のガイドラインより(2020)



    記事執筆者

    荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニック 院長
    (獣医循環器認定医)

    木﨑 皓太

    2012年 北海道大学獣医学部 卒業
    2018年 獣医循環器認定医取得
    一般社団法人LIVES 理事、循環器科
    東京都、神奈川県、群馬県、埼玉県、愛知県、大阪府の多数の病院で循環器診療を担当