猫の心疾患

検査を受けるべきタイミング

猫の心臓病には心筋に障害がおきる心筋症が多く、早期発見の難しい病気です。




検査を受けるべきタイミング

猫の心臓病には心筋に障害がおきる心筋症が多く、早期発見の難しい病気です。

「健康な」猫を対象とした心臓のスクリーニング検査を行った研究では、約15%の猫に心筋症が
認められており、高い罹患率が示されています。罹患する年齢も幼齢~高齢まで様々で、特にメインクーン、ラグドール、スフィンクスでは若齢性の肥大型心筋症の報告が多くあります。

また、犬と違って心雑音がなくても心臓病がある可能性もあれば、心雑音があっても心臓病ではないこともあります。

以下のような場合には症状がなくても検査を受けることをお勧めいたします。

  • 心雑音が聴こえる
  • 心拍のリズムに異常がある
  • 心臓バイオマーカー(NT-proBNP, ANP, cTnI など)の値が高い
  • 心筋症の好発の猫である
    (アメリカン・ショートヘア、メインクーン、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、ラグドール、スフィンクス、ブリティッシュ・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド、シンガプーラ、ペルシャ、ベンガル、バーマンなどは特に注意が必要ですが、純血種ではなくても心筋症の発生は多く認められます)
  • 心疾患を疑う症状がある場合
    (呼吸が速い・荒い、疲れやすい、突然の四肢麻痺、ふらつく、倒れる(失神)お腹が膨れている etc)




  • 記事執筆者

    荻窪桃井どうぶつ病院/杉並動物循環器クリニック 院長
    (獣医循環器認定医)

    木﨑 皓太

    2012年 北海道大学獣医学部 卒業
    2018年 獣医循環器認定医取得
    一般社団法人LIVES 理事、循環器科
    東京都、神奈川県、群馬県、埼玉県、愛知県、大阪府の多数の病院で循環器診療を担当